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ものづくりコラム|第3回.3D CAD の登場で何が変わった?

2018年8月29日

XVL コラム

ものづくりコラム

第3回.3D CAD の登場で何が変わった?

すでにドラフターや烏口は死語となり、設計者 = CAD オペレーターが常識になっていました。一方、設計も高度化したこともあり解析手法の導入が課題となる時代でした。これを後押しするように 3D データで設計するツールが従来の 2 次元 CAD と入れ替わり、急成長していきました。

1990 年代、CAD を使って 10 年程が立っていましたので、CAD の得意とする編集・コピーを主軸に設計業務が行われている事に自覚も少なくなっていました。見た目に判りやすい 3D CAD は、構想設計レベルで製造部門も参画できるメリットも多く存在しますが、この時代では設計側の解析機能のために多くが導入されてきました。

構造・熱・電磁界・モーション等、試作レスを目的とした展開が進み、 「 3D = 開発ツール 」 のイメージが定着してしまい、本来の 3D の持つ優位性については広がっていないように思います。

初期の 3D CAD の思い出といえば、幾何拘束の条件を理解できていないと造形すら出来ない状態で、作画の為のツールでした。しかしながら幾何情報に材質や力の条件付けを行うことで、構造解析が出来る高級な電卓としては貢献してきました。当時のレベルでは実際との乖離が大きく、要素分割と条件設定が経験値に依存していて、とても使いやすいものではありませんでした。

その後、条件設定の経験が少なくても利用できるようなアシスタント機能の充実が、設計ツールとしての位置を明確にしていき、いまではエンジニアの重要な Tool としての位置付けとなりました。

それこそ、一度描いた構造物の修正で書き直しになる事は度々でした。

書き方が悪いのか、ツールが不出来なのか?

よって 3D CAD の導入において、設計者側で最も重要な心構えは、加工方法を十分理解した上での入力手順をつくることでした。

しかし、これらも CAD 側で加工方法に応じた入力画面を新設するなど、様々な工夫で容易に使えるようになりました。

ツールが変わるたびに慣れる時間が必要で、オペレーターは大変です。

それでも、一度慣れてしまえば、入力が簡単で、検討段階では皆が参画できます。このような環境を作り出す CAD ツールの進化は、設計の流れを大きく変えて来ました。しかしながら、3D の可能性はまだまだ大きく、製造部門では作業性や品質確認への寄与に期待ができ、今後の課題です。

次回のコラム掲載をお楽しみに!


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