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ものづくりコラム|第9回.3D プリンターで何が変わる?

2019年2月12日

XVL コラム

ものづくりコラム

第9回.3D プリンターで何が変わる?

2000年に入り加工精度も格段に向上した事で、3D プリンターは単なる造形機ではなく実用の域に達してきました。使える材料も樹脂~金属に至り、工業~医療まで広がりを見せています。

プログラムが既に存在した処から始まっているからです。 2D CAD 時代の幾何情報を利用する加工機を長らく活用して来た事が、3D を活かした CAM の進化を遅らしてきたのだと思います。

3D プリンターの世界では、設計し、直接加工する事が前提となっており、これまでの加工機の世界観とは全く異なります。世の中の注目とは裏腹に、3D プリンターを実際に使えている企業は少ないと思います。よく聞くのはデザインや構造の検証ですが、基本的に 3D プリンターでないと出来ない構造の物まで至っている方は少ない状況です。複数の樹脂材料と着色を、同時に造形する事で作る手術検証用の内臓等をつくるというのは、私の知る 3D プリンターならではの希少な使用例でしょう。

とはいえ現在、3Dプ リンターを軸にして、様々な企業で様々な材料を加工する新しい方法/技術の開発が進んでいます。これら技術の進化で一括製造が可能になり、部品を組み上げることで作っていた時代が変わっていくのでしょう。過去に電子部品を半田付けにより作っていた電子機器が半導体1個に集約されたように、今後も一層の小型・軽量化が進み、進化した加工技術が組立を不要にして行く事でしょう。この様に 3D プリンターのような加工装置の進化は、設計手法の変革をもたらし、今まで出来なかった事が実現できるようになります。

しかし加工装置の悩ましいところは、使いこなす技術が、往々にして後からついて来る点です。初めから使いこなす技術も確立されていれば、お客様への伝播も容易になるのですが。

新しい加工技術が生み出された際に、それに対応する使いこなす技術を、どれだけ早く提供できるか、生み出せるかは、新たなるイメージを創造する力に依存します。既存の環境に束縛されず、課題の実現を目指したイメージ作りに力を入れたいですね。

次回のコラム掲載をお楽しみに!


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